退院後の決定すべき事は、抗がん剤について

まずは今後の治療について
抗がん剤治療を行うかどうか。ここが決め所となった。
入院中、先生や看護師に相談をし、医療知識を持ち合わせていない素人なりに調べてみた。スマホが主婦層にも普及し始めた頃で、この世にスマホとWi-Fiがあって本当によかった、しみじみ便利。
標準治療以外にも
保険適用外の治療や、サプリメント、多種多様な情報がヒットする。しかし先生と話し、自分でも考えた答えは、まず治療をするなら保険適用の標準治療である、抗がん剤のシスプラチン+アリムタだ。
しかしこれがまたネックとなる
シスプラチン+アリムタ、この抗がん剤を点滴するには、3週間に一度×6クール。一週間入院し、1日目に抗がん剤、吐きけ止め、利尿剤等を点滴し、残り6日程は、吐きけ止め、利尿剤等を点滴し、体外へ抗がん剤を排出する必要があるのだ。
奏功率は、悪性胸膜中皮腫で20〜30%(希望的数字)、腹膜中皮腫には正直エビデンスが少ないから、少なめに見積もって、15〜20%。(7年前の先生の意見です)
単純に自分が20%側に入れるかどうか、だ。もし80%側だった場合、6週間家族と会う時間を削る計算となる上に、がんの進行についても予想は不可能。
早ければ、2年。先生はそう言った。
悔いのないように、と。だから私は、退院後、セカンドオピニオンで3箇所の病院で抗がん剤の奏功率、この一点を尋ねた。答えは様々だった。
セカンドオピニオンと診察以外の時間は、検索と、胸膜中皮腫がほとんどではあったが、研究している大学や論文を発表した大学病院等、リストアップし、片っ端から電話をかけた。
親身に聞いてくれる所もあれば、研究段階だから実際治療可能になる頃まで生きていないだろう、と言われることも少なくなかった。実に心が砕け散る作業だった。
やはり、自分の事は自分で決めて、責任も己が取るものなのだ。世界はそういうルールなのだ。
さまざま集められる情報を知識として頭に放り込み、
私は決めた。子どもたちとの6週間を選択することに。
今回は、抗がん剤治療は行わない。仮に2年だとするならば、20%に入れる可能性、悪性腫瘍の増減についても結果はわからない。そして、一度目があったとしても二度目の確約などないのだ。
ならば、「切る」だけで、今回は終わらせる。横隔膜に残っている悪性中皮腫が今後、胸膜中皮腫になるのか、再び腹腔内に散らばるのか、それは誰にもわからない。
誰にも罪悪感を持ってもらいたくない
だから一人で決めた。
今後、投薬治療をするかどうかについては、病状次第でまた考えよう。それまでは無治療で、そして、はじめるのなら標準治療だ。
母は抗がん剤の使用について
過去に父親(私の祖父)を肺がんで亡くした時、抗がん剤の投薬に対し反対だったようで、丸山ワクチンを勧めてきた。父は、朝早くインターフォンを鳴らし、「大丈夫だ!これでお前は助かるぞ」と保険適用外の治療本を手渡した。
だが私が「無治療」を選んだとたん、迷い始めてしまったようだった。独自に聞いて回ったらしい。ちらりと、標準治療の抗がん剤の選択もあると、囁いてきた。
残念だが、二度手術をし、
「万が一」の場合の同意書に沢山サインをした私は、あなたたち(毒親)よりたくましいはず。一度決めたのだ、後悔する可能性も充分検討した。それでも家族との6週間を選びたい。ほっといてくれないかな。
がんばれば夢は叶う
今時子どもでも知っている、お花畑理論、夢の法則などこの世に存在しないこと、とっくに知っていたはずだった。でも、まだ奥深くに「叶わない夢(がんの完治)」がひっそりと息を潜めて待っていたのだ。
いくらでもドラマや映画や本の世界で触れてきたであろう、厳しさに、そっと肩を叩かれたのだ。
まさか次が私の番だとも、少しもその可能性を疑わず。当たり前のように「明日」がやってくると、たいした信念もなく、なんとなくそんなものだと、生きてきた。
「まさか」はやはり唐突に現実を突き付けるものだ。そう、世の中はそういうルール。幸せも不幸もいつも突然、呆気なく現れては消えるものなのだ。
知ってはいたけど、知らなかったんだなぁ…実際は
ブログで記載している情報は、今から7年程前の古いものです。医療に関する知識も素人です、あくまで参考の一つとして、ご覧いただききたく存じます。治療に関して、考えや医師の判断は、あくまでも「私の身体」の情報に過ぎません。人の個性が十人十色なのと同様に、病状についても十人十色です。ですので、やはり主治医の先生に相談されるのが優先すべき事と考えております。
*アスベストに関係する全ての団体・患者会・家族会には属しておりません*今後も属しません*全て個人発信です*
by 中皮腫患者 mochi
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