街でみかけた母の背中

毒親である実家と我が家は極近
そう、私の住まいと毒親の住む家はめちゃくちゃ近所、よく言う「スープの冷めない距離」アッツアツのまま届けられる自信しかない近さ。実家から我が家が見える…近すぎる…全くもって…(よろしければご覧ください→■)
土曜日、買い物の帰り道、前を歩いている人が母だと気がついた。歩を止め、お母さんだ、と思いながら遠くなる背中を眺めていた。
以前の様に心が乱れることもなく、ただ「母だな」と認識したに過ぎず、母の存在が確実に私の心に圧をかけなくなっている事が嬉しかった。
ばったり出くわす事や見かける事は
たまーにある。私にあるのだから、きっと母も私を見かけていたりするのだろう。
7月に道でばったり出会ってしまったが、母は私に気づき一瞬目をそらし改めて上から下までじろりと見ただけである。
別に声をかけてほしい訳でもないし、実際に声をかけられたら心的にやられてしまうだろうから迷惑でしかないのだけれどね。
でもやっぱり思ってしまうのですよ
母の言葉が浮かんでしまうのです。
- 世界中の人があなたを悪く言ったとしても私だけはあなたの味方
- 優しくしてくれたって所詮友達は友達、親の様には助けてくれない
- あなたを守るためならこの命を差し出すわ
- 親とはそういうもの、いつまでも子供の味方なの
- 娘がいてくれて本当に幸せ
- 娘がいてくれるだけで十分
あの言葉たちは一体何だったのか?と
自分に酔っていたんでしょうね。父もね…、
- いいか、何があっても親だから助ける(がんと知った後)
- 家族なんだ、理解しあいたいじゃないか
- 自分を優先に考えちゃいけない、もうお前は親なんだから
- 家族は助け合うものだ、だから心配するな
- 子供を愛さない親はいない、だから心配しているんだ
毒親である父も母も、たくさん「いいこと」言っていました。実行に移せていたなら家族誰もが傷を負わず生きていかれる素敵な「優しさ」を。
残念ながら毒親ですので、
何ひとつ実行には移してもらえなかったのでね、「口だけなら誰だって良い事を言える、実行できなければ意味がない(by毒父)」を、熨斗をつけてお返ししたいくらい、まんまブーメランでしたから。
希少がんの余命を超えて生きている私は、毒親曰く「たった一人の血を分けた娘」なんですよねー。心配じゃないんだー、ほー、へー、マジか。みたいな気持ちがふと湧き立つんですよ。
だからと言って心配してもらいたい訳じゃない、むしろその方が迷惑だし、と「たった一人の血を分けた娘」は思ってしまうんですけどね、はい(笑)。
あんなに「家族だから」という「重石」で
私の心を押さえつけ、圧をかけ、「親を大切しろ」というプレッシャーを「あなたのためを思って言っている」という言葉に置き換え、バシバシ与えてきたのだ。
ずるいよなー、「子を愛する親の愛情」ってやつさ、この状況の時こそ「発動させる」んじゃないんだ、とね。
お父さんの好きな、訓示やら名言だと、いつもそういう設定だったよね、いつもカッコよく言い切ってたじゃん。
お母さんは「何があっても娘の味方」じゃなかったの?あらら?「娘を守るためなら何だってする」とか言ってたじゃーん。
なーんて、ブラックな私が出てくるのだ。
有言不実行な人は私だって嫌だよ。
あ、これは父と母が良く私に言っていた言葉、「あんたはいつも口先だでやりもしない」「そういうのを有言不実行って言う」ってね。
偉そうな立派な言葉を言うだけ、これは本当に父に対して思う。昔から思ってた。父の言葉通り育ててくれていたなら、私はのびのび育つ設定だったんだ。
まぁ、そんなこんな、な今更言ってもしょうがない「愚痴」ってやつですが、たまに心を刺激して湧くときがあるのです。
散々言われてきた「皮肉」を、返してやりたいという感情ですね。実際に実行はしませんよ?面倒なだけで、私は一向に得をしませんから。
もっと俯瞰な感情ですかね。
いっぱい「立派な言葉」言ってたねー、何ひとつ実行されてないけど、みないな感じで。やれやれ、みたいな?
この「黒い皮肉」をぶつける機会が「万が一」あったと仮定した場合、母はきっと
「だってあんた生きてるじゃない、自分から縁切っておいて心配してなんて、虫がいいわよ」と元気に返ってくるのは十分承知ですのでね。
まぁ、実際、私生きていますから(笑)。
ただね、あれだけ大層な事を言われ続け
「心身ともに満身創痍」になったんですよ、私。
それでもまだ「自分たちは悪くない」と思っているからこそ、
毒父はすれ違っても「おい!」と怒鳴るのだし、
毒母に至ってはお花畑で生きているのだ
なんだかなー、色々がっかりだったなー、と今日に至るまでを回顧してしまった、母の背中である。
やっぱり、ずるいなー、とね(笑)。
思っちゃいました、という話でした。
by毒親育ちmochi
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