毒親の盛りの良い恥ずかし話

私は機能不全家族に育ち、
一般的な常識とされる知識を毒親から教わり育った。
毒親育ちの方ならお分かりだろうが、毒親なのだ、知識には偏りがあり矛盾が生じ、矛盾を素朴な疑問として問いかけても、「世間とはそういうものだ」という、なんだかよくわからない回答で納得させられ、「これ以上聞くなよ」オーラで会話が終了してしまう。
したがって、いろいろ勘違い(知識の偏りという意味で)をしたまま育ってしまい、大きくなっても恥ずかしい思いを数々したものです。
毒母は、夫である毒父をけなすのだが
他所で語るときは「夫の会社が…」と話していたので、私も「父の会社が…」と話すと「お父様会社経営されてるのね」と返ってくるので、あぁ、そりゃそうだわ…と気づくんです。
毒父も毒母も、私と兄に「自分たちはいかに立派な人間か」と言う話を常々語っており、母は生まれた時代が違えばバリキャリだったらしく、父は家庭の事情でなければ出世確実だったらしい。
高校の先生が一浪もすれば東大に入れると言っていた、と父がよく語っていた。だからその遺伝子があるのだから兄も「本気を出せば」頭が良いはずだと母も言っていた。(は、恥ずかしい…綴っててモーレツ恥ずかしいっすよ)
幼い私は、そりゃ素直に受け取り
「うちの両親ってすごいんだな」と思っていた頃も、もちろんありました。
ですが、毒父の家は武士の出身で世が世なら城主だ、額縁は〇〇家の直筆の礼状だ、先祖代々のなんちゃら云々、〇〇公園の噴水は先祖が寄贈したものだとか、何だか話が大きくてですね…、流石に中学生にもなると「むむ?」と疑うようになるのですよ。
それでも30年ほど前の話、まだググれません、それでも「いやいや、ないわー」と思っていました。
だんだん、へぇ、と興味なさそうに返事をするようになる反抗期の私。
ムキになって「お父さんは仕事ができるの、大学に行けていたら違っていたの」とキレ気味な毒母。ふぅん、としか感想がないのだが、実際に出世していたのかしていないのか、真実は伝わってこないのでわかりませぬ。
とにかく父は仕事ができる、
しかし大卒ではない、そして東大、早慶大卒の上司は皆使えないやつ、らしいです。これはずーっと父が言い続け、なぜか母も盲信していた不思議なお話。
いいですか?一部上場企業の部長たち、父が知る上司や国立大卒の部下は「皆使えない」なんて事あると思えます?いやいや、ないわー、しか出てきませんし、何より恥ずい…。
だから毒親にとって、学歴が大事で、女も手に職が必要で、長男の嫁は同居し介護する、介護したものが全財産を取得できる、ざっくりこんな価値観を植え付けられていた。
しかし「女も手に職」は
母の習いたかった楽器を指定され、上達しないと殴られ泣き喚く責め道具にしかならず、やめたくてたまらなかった。(やめさせてもらえませんでしたが)
学歴が大事、兄も私も成績が振るわないと、父の拳で流血騒ぎになるだけで、わからないところを丁寧に教わった事など無かったですよ。
そして先祖代々の土地、これも実は借地だったという衝撃的事実!!!
ええ?まじっすか?ですよ、まったく。先祖代々の土地…、先祖が残してくれたから住める…だから感謝しないといけない…、って借地だったのぉ?!です。はぁ、恥ずいよぅ。
毒父もなかなかに話を盛る人
でしたので、結構騙されていた真実はたくさんありました。毒母は…もうね、言わずもがなですのでね、はい。
ですので、疑う心を知らない幼き頃は、なんなら「自慢的な?」「私って偉いんじゃない的な?」もう穴があったら入りたい恥ずかしい「ホラ吹き野郎」だったんですよ( 恥)。
何と表現したらいいのかなぁ、大きくなるにつれ、うん?これなんか違くねぇ?って世間を知るたびに気がつき始めるのですよ。ガチ勢のお育ちというものをね、我が家には備わっていないという事をね。
つい指摘してしまうんです。
高校生にもなると弁も立つのでしょうかね、突っ込まずにいられなくて…、逆鱗・聞こえないフリ・憎まれ口叩くな・お前は世間をわかっていない、こんな感じで怒られてました(≧∀≦)テヘ
だってぇ、借地ですよ?武士の血筋で噴水寄贈してるのに、借地なの???なぜゆえ、死守したいの?お借りしている土地なのに?????
土地に関しては、等価交換をし半分になりましたが今では確かに自前の土地になりましたけどね。
兄を苦しめ追い詰めるほどに
守りたかった借地とお墓(武士なのかは不明)と学歴。
兄を毒兄に育てたのは毒父と毒母だ。
あれほど「長男なんだから」という呪いを浴びせ、東大もしくは早慶上理に行かせたくて、散々殴り罵倒し追い詰めた。結果兄は、楽な方へ流れた。そう、毒親と同じ側へ落ちたのだ。
だから私は家族全員の「毒」を受け止める「吐き捨て場」としての立ち位置へと否応なく配置された。だって家族の中で一番弱いんだもん。
毒父の嘘も、毒母の見栄も、毒兄の虐待も、
弱くてカッコ悪くてダサいよ、あんたたち、って思ってる。
何でも「私が悪い」事にして自分たちのみっともなさを認めないんだ。勝手にしてください、とね。
非情な娘と思われてもいいと吹っ切れるまで、ここまで来るには血反吐の日々だった。自力で自分を癒し、再び傷を負っては、休み、歩みを進める、この繰り返しだった。
絶縁したから終わり、ではないのだ。
苦しみはやはり残念だが続く。一人で背負い込み重さに耐え進むしかないのだ。なんたる理不尽…
それでも、毒親から離れた今は天地がひっくり返るほどに、めちゃくちゃ幸せ!
自由に生きる権利、自由に楽しむ事が許される自分、これをようやく手に入れた。半世紀近く時間を無駄にしたけどね。
だから絶対に何を言われようとも、泣き落とされようとも、私は2度と毒親と人生を交わせない、ごめんこうむる!
毒父・毒母・毒兄、あの人たちは「自分を優先した」のだ。私に全てを我慢し飲み込めとね。
出来ないからさ、私。
by毒親育ちmochi
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