夢を見るんだ最近、幸せな悪夢をさ。

夢を見るんだ最近、幸せな悪夢をさ。

毒親に関して一つの区切りがついた、

私の心がそう感じたのは、下の子が18歳となる2020年12月そう今月の話。

人生の問題で考えるなら約半世紀、子育てならば20年ちょい、癌患者としてなら8年ちょい、絶縁してからなら4年強、長いのか短いのかは、まだよくわからない。

だけど、人生の「私の役目」の大きな大きな役やり終えた『圧倒的安堵』が心を締めている事は確実である。

子供たちを毒親の理不尽から、

毒親の圧力から、毒親の自己中心的な考えから、毒親から発する全ての毒から、子供たちの人生を守りたかった。(夫もね♡)

ただただその一心で、希少がんを体内に飲み込み、文字通り孤軍奮闘、歯を食いしばり生きてきた。

あの子たちの人生がようやく「自分だけのもの」になる年齢へ繋げてあげられて、それを見届けられて安堵。深く深く安堵した。

これで毒親に類する「過去の痛み」から心身が解放され、真から自由になれると思っていた。いや、なれるに違いないとワクワクさえしていたのだ。

心から『安堵』し子供のように泣きじゃくり

やり遂げた自分褒めて労ってあげたんだ。もういいよ、これからは少し気を抜いて生きてみよう?とね。

数日後からだ、夢を見るようになったは。

ハッピーエンドの夢ばかりを見る。しかも夢だと分かっているのに目覚めない「幸せな夢」という『悪夢』を。

最初の夢は、毒母だった。

下の子が18歳になるまで頑張った今の私に会いにくるのだ。

今までお母さんはあなたを傷つけるばかりだった、本当にごめんなさい、許されることではないけれど、せめて私が生きている間あなたを守らせて欲しいと泣くのだ。

「夢」と分かっているのに、夢の中の私は毒母を赦し受け入れ、互いに抱き合って和解の涙を流すのだ。あぁ、お母さんはやっと私の気持ちをわかってくれたんだ、嬉しい、よかった、と夢の中の私が感じるのが伝わる。

それを「夢」と分かっている私が「違うから!夢だから!目覚めないと!」そう必死で訴えているのに、目が覚めない酷い夢

ある日は兄だ。

これに関しては本当にえげつない程に酷い悪夢だった。現実は私に対し、肉体的性的虐待をふるった毒兄なのに、「夢」の中では、妹想いの優しく頼れる兄が、私と楽しく会話するのだ。目覚めた時、あまりの酷さにトイレに駆け込んだ

別の日も酷かった。父母兄私、四人が仲良くキャッキャっ華やぐ家庭に育つのだ。夢の中の私は幸福感を感じ、あぁこの家に生まれて本当に私は幸せだ、そう噛み締めるのだ。

酷い夢を見せるものだと、私の脳味噌怒鳴りたいものだ。

絶対に叶わない、絶対に塗り変わることのない「過去の酷い現実」を、なぜ夢の中で「塗り替えよう」としているのか、私は私の脳が理解できない

目覚めるたびに心臓が飛び出しそうで

混乱し、肩で息をし、目覚めたことに深く安堵すると同時に悔し涙がにじみ絶望が襲い、そして自分に怒りが湧く

私はとうに「毒家族」を捨てたのではないか!私は納得しているではないか!何故に「手に入らない」「存在し得ない」「幸せな家族」を脳内で勝手に創造し、私自身に見せるのだ?

心が騒めき、底無しの沼がまた現れる、この繰り返し。

心の痛みとは、どうしてこんなにも「しつこい」のだろう。

私はもう楽になりたいのだよ。

私はもう毒父に毒母に毒兄に、一生会いたくないのだよ。

声も聞きたくない、顔を見たくない、話など絶対にしたくないのだ。

だからこそ絶縁をし、

自分の人生を立て直し、乗り越えてようやくここまで来たのに、

なぜ今更夢で彼らの顔を見なくてならない?なぜ今更声を再生されなくてはならないのか?私の脳私の味方ではないのか!と哀しくなってしまう。

自身に怒りを感じ、吐き気に耐え、ザラつく心に水を流し込み、一人夜空を見上げる。

安堵が私の気を緩ませて、まだ癒えていない痛みたちが、消化できていない「毒親」への「何かしらの感情」を吹き出させたのだろうか。

眠るのが怖くなったよ?

だって毎晩薬を飲んで眠るんだ、ほぼ夢など見ないのに、この所、連日のように毒母が夢にやってくるんだから。

もしかしたら私の本音に「期待」が残っているのだとしたら…そう思うとまたおでこに設置された機械が勝手に動き止まってくれない。発作の出る前兆だ。

でも亡霊に脅されて、勝手に毒親に怯えようが、腹を立てようが、理解を求めようが、わかっているじゃないか私よ。

『あの人たちは何があっても変わる事はない』という学びを。

絶対に私の心毒親に支配されてたまるもんか

よし、いいよ、私。その調子だ。思い出してきたようだね、よかった。

散々模索し苦しんできた

「親と仲良くする」というテーマ。

譲り従い護り、言葉で行動で理解を求め、その度に言葉や肉体の暴力で組み伏せられた経験が『あの人たちは変わらない』という答えを導き出したんだ。

何度だって立ち上がってやる、毒親に毒兄に踏みつけられた「自尊心」だけは、何があっても「毒」に汚されぬよう、私自身で守りたい。

だって、どれほど眠れぬ夜を過ごそうが、どれほど発作の前兆が襲って来ようが、全ては毒親が窺い知れぬ場所で起こっているのだから、無いも同然の苦しみなのだ。

頑張れ私、もう私の時間を毒親に割くバカらしい過去を辞めたかったんじゃなかったの?ほら思い出しなよ、あの人たちとは関わっちゃダメって心底知った気持ちをさ。

ここ数日また夢を見なくなっている。

自己暗示が効いているのか、ただ単に寒くてお布団の温もりが心地よく深い眠りへと誘っているのかはわからないが、心の負荷が減って単純に嬉しい。

何気ないように生きているよ?何なら「いつも楽しそうでいいね」なんて言われてさ。そう言われる事は嬉しいし。

たださ悔しさはなかなか消化できないものなんだね。「幸せな悪夢」から目覚めると、必ず「悪夢のような過去」を思い出し、足元からグワリと恐怖と不安が立ち昇るのだ。

毒親の亡霊に苦しむ私、

慌てて薬を飲む私、

それらは全て毒親の知らない私なのだ。勝手に絶縁し、親を放って気楽に生きていると腹を立てているであろう毒親が一生知ることのない、知ったとしても私の心の弱さだと断言するか、そもそも理解できないであろう可能性が高い、苦しむ私。

悔しいよ

私を気楽に生きさせてあげたいのに

少しね少しづつさ

おでこの機械も止まる日が増えて

夢も見なくなっているから

大丈夫だと思うんだ

一つ乗り越えると、また次の波が心に去来するけど、あの歪み屈したくないから。眠れない夜は、温かい飲み物と窓から見上げる空を味方につけて、静まるまでじっと待つ。大丈夫だよ私、そうやって乗り越えてきたから。

by毒親育ちmochi