毒母、がん、入院、唐突にエヴァンゲリオン投入

毒母、がん、入院、唐突にエヴァンゲリオン投入

悪性腹膜中皮腫と診断され

毒親からも、自分の人生からも、見放された気分だった、あの春の頃。

その後の両親(毒親)は、夫と共に全ての病院に立ち会った。

母が言った

告知の日、一人にして本当にごめんなさい。まさかあなたが、がんだなんて思っていなかったから、一緒についていってあげなくて(嗚咽)…(いやいや先生から聞いてた事、私知ってるから)

だからね、お母さん、決めたの。今後あなたにこんな辛い思いを一人でさせちゃいけないから、全て一緒に付き添って、一緒に戦うわ」と。

ほらね、また「嘘」がこぼれた、

「優しい母」という「真実」にすり替わっている。いつもあなたはそうなのだ、毒母はどこまでも毒親だ。

大体、診察室での座る位置がおかしい。

椅子が2脚しかない場合、私と母が座る。3脚の場合父が座り、夫は常に立ったまま。母はいつも何やらメモをとる。そして最後は「お金ならいくらでも出すから、お願いだから娘を助けてください」と泣くのだ。

そんなことよりも私は

ネットで泣き暮れつつも、検索して考えに考えた「一番目の希望」である手術の可能性の有無。そして抗がん剤のメリットデメリット、現時点で私が使える抗がん剤の種類について、聞きたいのだ。

なぜ私は、毒母が可哀想な母親を先生に披露するを姿を、毒父が「医療ミス」の可能性を心配しICレコーダーのスイッチを押すのを、そして夫が部外者扱いされて立たされているのを、見なければいけないのだろう。

茶番であるならやめてくれ。

そんなことより、先ず母よ、お願いだから泣くなら黙っててくれないか?

入院の際、母が「個室」を提案してきた

約一ヶ月の入院だ、金額もとんでもなく、後が怖いからもちろん断った。

しかし母が続ける、「私がそうしたいの、個室なら手術後も面会時間を気しないで、あなたの身の回りのお世話ができるでしょ?だから、お願い、私の我が儘を聞き入れて個室にして頂戴」と。

泣きながら、私を抱きしめて悲しげに言うのだ。

しかし同じ口で後々言ったのは、

「誰が個室代を出してやったと思ってるの?あんたには親にありがとうという感謝の気持ちが足りない。あんたの大好きな夫も同じだ。ろくなもんじゃない」と。

それがわかっていても、お願いされたら、断ることは「親不孝」となり、結局親を悲しませる酷い娘と責められる。断る道など初めからないのも同然なのだ。影を落とし、うなずく以外の術はない。

2度目の手術は

自分の足で歩いていくスタイルだった。手術室に入ったら、先生が洋楽聴きながら、ストレッチ中だった。「どう?気分は。さぁ、私のベストを尽くすからね」と。あとは卵巣嚢腫の下りと一緒、起きたら「個室」。

今回は、硬膜外ブロックというのかな?背中に、エヴァンゲリオン初号機のオープニングシーンみたいなイメージ?そんな感じで背中に針が刺さってて、痛みが我慢できなくなると、自分でボタンを押し麻酔が出るシステム、これが設置されてた。本当お世話になりました、ラブボタン。

しかし快適なはずの「個室」ですら

毒母と私の関係だと全て裏目にでるんだなぁ。母は毎日甲斐甲斐しく通ってきた。普段は派手だと避けていた華やかな洋服にメイクを決め込んで、「これなら、がん患者と間違われないでしょ?」と言いながら。

目覚めて数日は、痛い→ボタン押す→眠る、このルーティン。ひたすら痛みを延々耐えるのだ。まるでエヴァンゲリオンの「見知らぬ天井」だ(TV版第弐話)。そして気分はどちらかと言えば、シンジくんではなく、アスカだ。しかも量産型にやられたアスカの気分(映画版 Air/まごころを君に)

痛みに耐え、痛み止めの眠気をひたすら堪えて母に付き合う健気な私、横には着飾った毒母が果物を食べ、飲み物を飲み、ワイドショーを見て、私にあれやこれやと話しては「聞こえてる?」と聞くのだ。

一人で耐えている方が、数倍ましなのだが、帰ってくれとも言えないし。

一週間くらい経った頃かな、テレビを見ていた母が「へー、この人もがんだったんだ、いいわね効く薬がある人は」。もう何も反論する気すら湧かない、まさに「個室」地獄。

ガラケーからスマホに買い替え

いつでも検索できるようになっていたから、ある意味、検索し放題、そして家族とSkype(スカイプ)を使って顔見て話せて、唯一それが「個室」のありがたいところだった。

まさしく、母の言う「時間を気にせず」会話できたのだ(ありがとう)。

朝夫がPC立ち上げ、子どもたちが起きたら「おはよう」と言ってくれる。宿題のわからないところも画面越しで教えてあげられたし、Wi-Fi様様でした。

早く退院できるよう

歩行訓練?個室不在がちなmochiさん、と看護師さんが褒めてくれた♪

嵐を聞きながら、空中庭園を一日三回に分けて、目標を決めて、周回する回数を日に日に増やしていくようにして、痛みに勝ってやろうと黙々と嵐、エンドレス嵐。

頑張ったら回復に関しては、結果がでた。予定より一週間ちょい早く退院できた。ああ個室代すこし負担減るな、毒母のワイドショーの感想聞かなくて済むな、って本気で嬉しかった。

横道にそれてしまうがエヴァ投入

エヴァンゲリオン、TV版から見続けて、2020年6月27日、ついに第4弾の映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』が公開される。

前作『Q』が公開されたのが2012年、8年待ち続けやっと『:||』が公開される。嬉しすぎて、ワクワクがとまらん。

庵野監督には、何度人生を絡め取られたかわからない。夫や友達、そして子どもと、何度エヴァンゲリオンを語ったことか。

もう充分楽しみ尽くせたところに、最後4作品公開してくれるとは、テレビ版を観てはまり、映画館に夫と観に行った時は、思いもよらなかった素敵な未来。

当時購入した設定資料集も、限定リヴォルテックも、子ども部屋の一等地に鎮座している。

やはり、唯一無にを作り出す人は尊い

パリで公開された映像生配信の日、私は横浜FAD(ライブハウス)でMOROHA 「尋問」を聴きに来ていた。拳を握り締め、アフロさんの、UKさんの、熱い魂に共鳴、号泣し、MOROHAの、ライブで受信する感情の多さに、感動し、震え、満足感、不甲斐なさ、いろいろな感情ごちゃまでになったまま、ライブハウスの階段を登っていた、

子どもからLINEが届き「始まるよ」と。

シン・エヴァンゲリオン、パリから生中継開始、なんてタイミングなんだろう。スキとスキが重なるなんて、鳥肌ものだ。

もうあの映像に詰められた、散りばめられているあらゆるシーンに、ワクワクが止まらなく、あぁ、やっぱりすごいや…最高だよ、

序破Q見返して準備しておかなくちゃ。エヴァンゲリオンを語るのは野暮なので控えますが、アスカの心が救われてたら嬉しいな。アスカ贔屓なのでね( ´艸`) 。

エヴァンゲリオンの制作に関わったすべての方々に、そして庵野秀明監督に感謝の気持ちでいっぱいです。

今日は、最後横道にそれちゃった…、シン・エヴァンゲリオン楽しみだよね。

*アスベストに関係する全ての団体・患者会・家族会には属しておりません*今後も属しません*全て個人発信です*

by 毒親育ちmochi &中皮腫患者 mochi