毒親を傷つけない言葉を選ぶ嘘の私

毒親を傷つけない言葉を選ぶ嘘の私

さてさて今宵も毒親である父の、

記憶がじわりじわりと染み出しております。困りますねぇ、でも仕方ありませんね、とろりと出てくるのは止められません

度々書いていますが、私は毒兄の記憶をすっかりパンドラの箱に詰め込んでいたので、毒兄ではなく「兄」と思って30半ばまで生きていました。どこかしこに母へ嫌悪を示したようですが自覚はありませんでした。(よろしければこちらもどうぞ↓)

パンドラの箱の中身が開いた、あの日

兄はきっと毒母である母を

今でも憎んでいると思う。だから母が呪詛のように繰り返した「長男だから苗字を継いで跡取りなる」「将来同居をする」そして「長男の嫁老後を面倒みてもらう」代わりに「財産を全て譲る」という言葉に対し、逆の行動を取り続けている。

学生時代に付き合った女性は母が日常的に嫌っていた「年増」の女性(母がそう言っていた)、兄とひとまわり以上離れた母が絶対に許さないとわかるほど年の離れた女性を選んだ兄。父と母、特に母が怒りマックス揉めに揉め、別れた二人。

その少し後結婚をするが、

先に妻の籍に入り「苗字」を捨ててから母に「入籍して名字が変わった」と電話で報告した兄。復讐だとすぐにピンときた。「名字」を捨てた事に怒り震慄(わななき)、二人を呼びつけ大変だった。

しかしほどなく離婚、これも事後報告し再び旧姓に戻り分籍

苗字を一度捨て戸籍を分け、さらに居住地を「海外」にした兄。永住権を取得し「永遠に」海外に住むと告げ、母を捨てた兄

母は昔から「年上」「子持ち」

「日本人以外」の女性との結婚は絶対ダメ、とネチネチ言い聞かせていたせいか、私が知っている兄のお付き合いした人は、年上の人、外国籍の人、海外に住む日本人のシングルマザー。

見事に母の望む「お嫁さん像」と真逆の人ばかり。

兄が奥さんと海外に移住すると決め、相談した相手だった。母が絶対に反対するから内緒にしてくれと言って計画を告げた。移住先を決め家を引き払う準備をし片道のチケット購入後、ようやく父と母に「海外に住む、一生日本に住まない、妻と離婚し一人で行く」と爆弾を投下した。

烈火の如く怒り狂い泣き喚き

文句を言う母だが当時携帯はない時代、固定電話の契約解除後では兄と連絡が取れない。そこで母は私に「連絡があったら母は怒っていないから一度実家に顔を出して」と伝えるよう命令した

そして激しく父を責め立てた。あの子がこんな風になったのは全部あなたのせい、責任を全部私になすりつけ家をほったらかしたからだ、どう責任とってくれるのよ、今すぐあの子をここに連れてきて、と。

黙って聞いている父でなく、

激しく怒鳴り合い「ねぇmochi、私の言ってる事あってるでしょ?」と巻き込む母

連日家の中は最悪で、やはり父はずるくって、出張と言っては家を空け、母の溜まりに溜まった(本当は寂しい)怒りは、不在の父の代わりに私が受ける以外選択肢がなかった。逃げた父。

だけどね本当に「毒兄」の記憶がなかったから、兄の気持ちがよくわかるから内緒にして兄と連絡をとっていた反吐が出る過去の自分

毒に力を貸していたんだ、最低だよ。

いよいよ出国する前日に

兄から電話があった。「母さんとは会いたくないけど父さんと会いたいんだ、mochiから連絡とってくれないかな」と、これまた素直に承諾した私

父の勤める会社に連絡をし、兄が母に内緒で会いたがっているから今夜会わない?と聞いた。

父の返事は最低だった

母さんにバレたらまずいからそれは出来ない

ふーん。いくじなし。

正直カチンときた。思ったよ、だからダメなんじゃん、だからしわ寄せが兄に私に来るんだよ、妻である母を宥めるのは父の役目であって私じゃない!とね。

だから会ったよ、兄にさ

最後の夜ってやつに、夫とね。

気をつけていってらっしゃいなんて健気な言葉までかけてさ、足しにしてって諭吉渡してさ

母が暴走し兄を追い詰めた

それでも父は傍観者だった

心が壊れた兄は私に牙を向けた

それでも父は兄と私に拳を振るう人だった

私の心身は疲弊しきったのに

毒兄の記憶を忘れ切るほど辛かっただろう自分にすら気がつかず、兄を母から守ってしまったんだよ。私は父からも母からも兄からも守ってもらえなかったのに、いつも家族の役に立つよう頑張ってしまう娘(妹)である私もう嫌だ

きっとあの時だって心は本当は平気じゃなかったんだと思うんだ。覚えてないけど。

腫瘍が取りきれなかった事を

「うっかり告げた」父。(よろしければこちらもどうぞ↓)

悪性腹膜中皮腫という爆弾

抗がん剤(標準治療)について、必死で学びどうしようかと、全部なかったことにしたい捨て鉢な自分が表に出てこないよう、冷静に、冷静に、と自分に言い聞かせながらPCに向かっていたある朝、

保険適応外の、私なら絶対に選ばないだろう本を手渡し「大丈夫だ、これで助かるぞ」と笑顔でのたまった父。インディアンの教え以来の衝撃が走った朝。(よろしければこちらもどうぞ↓)

毒と怒りと悲しさと

簡単に助かるならこんなに悩んでいないから!どうして父はこうも無神経なのだろう、と。標準治療と保険適応外治療の違いをまず知ってから私のところに来い、と叫びたかった。

でもさ「心配してくれてありがとう、

読んでみるよ」って言ってたよ私

なんだろうね、体に染み付いた親を傷つけないよう言葉を選ぶ「嘘の私」

父は常に「穏やかで知識人」な自分であると信じているから、私との間にバグが生じる

父も兄も、毒父であり毒兄なんだとわかってしまったからかな。心にもないことを言った「過去の私」に再び心えぐられている。

母はやっぱり言いすぎたんだ、父は結局逃げてばかり、兄は過去の過ちを「両親」に責められたくないから認めない。

そんな父を兄を、傷つけないようかばった事悔しくてやるせない。

なんだかなー、だ!

by毒親育ちmochi