服編

服の話の続きを

母は食い道楽ならぬ、着道楽であった。とにかく服が大好きで、「本物」を追求する人であった。ヨーロッパの洋食器や陶器の人形を集めていた。 母が新婚旅行に着ていたスーツは、刺繍にビーズがあしらわれ、モノクロでも上質なものとわかった。 好きというだけあって 母の目は高く、選ぶものはどれも品があり、それでいて、はかなげな可愛らしさを持ち合わせている、なんとも乙女心をくすぐるものばかりだった。 母自慢の陶器の […]